小説同人の苦労と思い出
小説同人にまつわるお話です。
わたしは、小説も漫画も両方出します。漫画は完全にアナログで作業をするのですが、アナログで表紙を入稿するとイマイチ再現度が悪いので、デジタルが得意な友人に表紙だけお願いすることがあります。
さて、もう何年前になるでしょうか。
テニスの王子様が大流行していたころのお話ですので、もう……七年……くらい前ですね。わたしも晴れて大学生になったということで、同人即売会デビューを果たしまして、うっかりテンションがあがって大量の諭吉さんとお別れする羽目になりました。
旬のジャンルはどうしても漫画が多くなる傾向になります。
逆に円熟したジャンルですと「一発芸的な漫画より長編が読みたい」とう方が増えてきます。
当時は、とってもバブルでしたので、漫画が非常に多かったですね。
そんな中、小説サークルさんがいらっしゃいました。
別に、小説を出してはいけないなんて法律はありませんから問題はありません。
ただ、ページ数がとんでもなかったのですよ。
わたしはやっと大学入ったばかりで、BLのビの字を知ったか知らないかの頃だったのですが、そのサークルさんはかなり年季がはいってらっしゃるようで、卓上に限界一杯の七冊が並んでいて、全部が300ページ近い小説本でした。
そして、小説は手にとってもらいづらい、ということで小型のノートパソコンを持ちこまれていて、バッテリーで、小説の内容をフラッシュ化して流していらっしゃいました。
ああ、こういう工夫があるんだなぁ……と当時のわたしは感心して、さっそく立ち読みに行きました。
ところがですね……。まぁ、300Pというだけでご想像はつくと思うのですが、一冊が2500円ぐらいするのですよ! 漫画ですと、500円のが五冊買えます。しかも、サークル主さんがおっしゃるには、なるたけ単価を抑えるために、印刷所の中でも一番安いコースを使っているとのこと。表紙がふにゃふにゃの画用紙でした。
さらには立ち読みしたのだから買え、と共用されて、うらわかきわたしは泣きそうになりました。
同人誌に対するスタンスはひとそれぞれです。
ですがわたしは「立ち読みしたなら購入しろ」と強要されるのは苦手です。
さらに言うと「文章で勝負しているから絵なんてチャライものはいらない」と言い切る方も実はあまり好きではありません。確かに文章勝負というのはいいことなんですが、まずは手に取ってもらわないと読んでいただけませんからね。
でもすべては作り手の自由です。
わたしは、買ってほしいではなくて、読んでいただきたい、という気持ちが強いので、修行を重ねて今ではなんとかデジタル絵で表紙を入稿できるようになりました。
小説も漫画も苦労がありますよね。